インプラントの基礎知識

骨移植について

インプラント埋入時に骨の量が不足する場合には、不足分を補填(ほてん)するために骨補填材料を使用します。骨補填材料にはいくつか種類があり、大きく以下のように分類されます。

● 生体由来の骨補填材
   自家骨 / 他家骨 / 他種骨
● 天然由来の骨補填材
   サンゴ(炭酸カルシウム) / 石膏
● 人工材料
   アパタイト / β-TCP / 硫酸カルシウム / 生体活性ガラス など

さまざまな種類がありますが、天然由来のものは使用しないので省略します。
生体由来の骨補填材ですが、自家骨とはご自身の骨の事を指します。当然、ご自身の骨を使用するのが一番です。骨を移植すると聞くと驚くかもしれませんが、さほどたいしたことではありません。例えば上の奥歯にインプラントを埋入するのであれば同じ手術部位から骨を採取します。骨を採取する時間もそんなにはかかりません。

他家骨とは、他人の骨を指します。
アメリカを中心として使用されていますが、日本では認可がおりていないため使用はできません。また日本では他人の骨というと多くの患者さんは拒絶されます。もちろんメリットもありますが、これらは骨バンクが運営しており、主な使用は整形外科分野であり歯科インプラント治療への応用はまだ困難な状態です。

他種骨とは人以外、つまり動物の骨を指します。
動物?と聞くと嫌な感じがするかもしれませんが、同じ骨であり、免疫反応が起らない処理をすればまったく問題がありません。何より数が多いことから供給制限がないのがメリットなのですが、狂牛病(BSE)で有名になったように実際には問題がなくても『牛の骨を使用します』と言ったら希望する人はいるでしょうか?
医療の分野においては牛やブタの骨を使用した材料は古くから多く存在します。もちろんその安全性は高く、効果も実正されていまが、患者さんが希望しないかぎり勝手に使用はしません。

人工材料の骨補填材には、多くの移植材料があります。これらは生体内でアレルギー反応等の問題を起こすことがないため安全性があります。しかし、基本的には生体の骨とは構造が違うためそれ単体では骨にはなりません。ご自身の自家骨と混ぜて使用することになります。

当医院では、自家骨をまず第1に選択します。
しかし自家骨でも足りない場合は、人工の骨補填材料を使用するときもありますが、その場合には当然事前に十分な説明をさせていただいて了承された上でインプラント治療をすすめてゆきます。