インプラントの基礎知識

インプラントの失敗について

どのような状態をもって、インプラント治療の失敗と定義するのかはいろいろありますが、基本的にはインプラントが抜けてしまい、そのまま放置された状態を失敗ケースと判断しております。インプラントが抜けてしまっても、その後に再度埋入し、なんらかの方法で噛めるようになれば、失敗ではないと考えます。
当医院では、なるべくこのようなことが起こらないよう、細心の注意を払っておりますが、不幸にもインプラントが抜けてしまった場合には、しっかりとフォローできるよう対応しておりますので、ご安心下さい。

インプラントの失敗について、
Espositoらは1998年にインプラントの失敗に関する3,000以上の論文を分析して、インプラントの失敗を分類し発表しています。簡単に言えば、インプラントがぐらぐらしてきて抜け落ちることが失敗となります。
インプラントの失敗は大きく3つに分けられます。

@ 骨とインプラントの結合が不全で抜け落ちる
A インプラントに噛む力の負担がかかりすぎて抜け落ちる
B インプラント表面への細菌感染によって骨が溶けて抜け落ちる


@ の骨との結合の喪失はインプラント埋入後早期に起き
A の過重負担は歯の残り具合や噛む力、歯ぎしりが関係しています。
B の感染は歯周病との関連性が大きいと考えられています。


そのほかにインプラントが抜け落ちるのではありませんが、
C インプラント本体の破折
D インプラントのかぶせ物の破損も失敗の範疇に入ります。

Dに関してはかぶせ物を修正することで対応が可能です。
当医院ではセラミック冠は原則として取り外しが可能にしてありますのでこのようなことが可能です。お口の中で直接修理する方法も、材料の進歩により破損部分がまったくわからないように修理することができます。

またスイス・ベルン大学のBuser教授は10年間の経過で失敗した20本について分析結果を報告しています。20本の失敗を分類すると、

@ が1本(骨とインプラントの結合不全)
A が6本(過剰な咬合力)
B が8本(インプラント周囲炎)
C が5本(インプラント体の破損)
です。

Cの破折に関してはインプラントメーカーの改善努力と治療方法の工夫などによって回避することが可能であり、現存のシステムではほとんどないでしょう。
したがって、ブラッシング不足による感染と噛む力の過度の負担に注意し、治療後のメインテナンスを継続すればほぼ100%に近い成功率と言えるでしょう。
残存歯の保存とインプラントの長期生存のためにはメインテナンスの継続が重要であることが多くの研究で報告されています。

 

失敗したときの対応策

失敗したときの対応策は通常、インプラント周囲の骨が溶けきる前にインプラントを除去し、骨の回復を2〜4ヶ月待ってから再度インプラントを埋入します。骨が溶けきってしまった場合は骨の造成治療を行ってからインプラントを埋入するか、あるいはその部位へのインプラント埋入ではなく近接する部位に埋入することもあります。
インプラント本体の破折の場合は、特殊な器具を用いて除去し再度インプラントを埋入します。
したがっていずれの失敗の場合に関しても、ほとんどの場合再度のインプラント埋入が可能です

当医院では患者さんのお口の状況に合わせた個別対応のメインテナンスを行っています。失敗を未然に防ぐことで、お口の健康を生涯守り快適に過ごしていただいと願っております。